BAKERY 007

“シンプル”に立ち返る。

CICOUTÉ BAKERY

東京_南大沢

昨日の反省を今日に

今日の反省を明日に

飽き性なのに気づけば22年

変わらずパンと向き合っている

これからのパンづくり

明日のパンづくり

パンと向き合う生活が

喜びとなっている

オープン30分前、店内には少しずつ焼きあがったパンが並び始める。活気に溢れ、手際よく働くスタッフからは、1日の始まりを感じさせるエネルギーが満ちている。お店の前には長い列。お客さんたちはおいしいパンを求めているのと同時に、このエネルギーを分けてもらいにきているのかもしれない。

南大沢の団地の一角に移転して5年目になるチクテベーカリー。店主の北村千里さんは変わらず厨房で、素材と向き合い続けている。「原点に戻って、これからどんなパンを作りたいか、お店をどう続けていきたいかを考えた1年でした」。お店のシンボルともいうべきハード系のパン。限られた人向けだったそれまでのパン作りから、今の店舗に移ったのを機に、ここで暮らす人のことを考え、惣菜系のパンなど、種類を増やし、間口を広げた。「今できることを全力でやった5年間」。北村さんは今もう一度原点に立ち帰ろうと考えている。「この1年はいろんな食事パンを作ったんです。惣菜のパンにも食事パンを使っているので、『パンだけで食べてもおいしい』と思ってもらえるように。結果としてひとつでも好きなパンに出会えたら、それがその人の食卓のパンになる。いつもの食卓の一部になれたらいいなと思って」。

1_時間をかけて発酵させたリュスティック。クラストは薄く、なかはしっとりもっちり。ハード系のパン初心者にこそ食べてほしいパン。2_修業時代から継いでいる4種類の酵母のひとつ、ライ麦サワーの酵母。「味に深みを出したり、香りの層を作ったり、味が奥深くなる」。3_今でも「毎日新しい発見があって、昨日の反省を今日生かそうと思っているとアッという間」。パンの道に入って22年になる北村さん。気持ちは始めた頃となにも変わっていないとも。4_「ある程度できたらあとは任せています」。忙しくも活気に溢れる雰囲気が心地いい店内。つい「もうひとつ」と手が伸びる。5_オープン前から列ができる。近隣の住宅に住む人はもちろん、車で遠出してくる人も珍しくない。

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北村さんにはずっと継続して思っていたことがある。当たり前ですけど、小麦には作っている農家さんがいるんですよね。でも農家さんは自分が作ったものを加工しないと食べることができない。私たちの役目として、喜んで食べてくれるお客さんがいることを伝えること。同様にお客さんにも農家さんがどういう思いで作ったかを伝えること。それでお互いに豊かな気持ちになる。味の捉え方も広くなる。直接的ではないけどつながりを感じることができる。つなぎ目としての役割をこれまで以上に大切にしていきたいですね。願うのは、作る人、食べる人の心と身体がよろこぶパンであること」。

Photo_Yuko Sato

Shop Data

CICOUTÉ BAKERY

東京都八王子市南大沢3-9-5 #101

☎︎︎ 042-675-3585

営 10:30~18:00 ※冬季は10:30~17:30

休 月・火曜

cicoute-bakery.com

※2018年3月号掲載時の情報です