BAKERY 011

パン屋、発展途上中

発酵所+ぱんのとなり

群馬_太田

何気なく母親と参加したパン教室。

いつしか「プロが作るもの」と

考えもしなかったパン職人の道へ。

自分で酵母を作り、粉からパンを作る。

信頼する農家が作る食材と一緒に

みんなが笑顔になるように。

「水分は粉に対して100%か110%、具材が入るとそれが水分を吸うから、実際にはもう少し減りますよ」。オーナーシェフの松岡秀さんは、生き物のようにうねうねと動くパン生地をまな板に広げながら「この状態は当たり前」とばかりの表情で話す。「発酵させすぎると味が薄くなるから」と発酵は基本一回、多くても二次発酵まで。その場合も休ませる程度で、時間をかけない。仕込みは前の日に、当日は焼くだけ。5時半に厨房に入り、窯の温度を上げている間に、次の日のパンを仕込み、発酵させる。それから当日店頭に並べるパンを焼く。8時に焼き始め、11時には全てのパンを焼き終えてレジに立つ。ほとんどの作業を一人、効率的なルーティンワークでこなす。できあがったパンは歯ごたえ十分。外はハードに、中はしっとり、食べ応えがある。「米に近い感じのものを作ろうと考えたんです。日本人はお米が中心の食文化だし、僕もどちらかというとお米が好き。だから低温で発酵する消化にいいパンにたどり着いた」。パン屋で働いた経験は1年弱、「ずっとそこにいたら、自分もそのパンだけを作りたくなると思ったんです。それよりも、自分自身が楽しみながら、自分のパンを見つけたかった」。

1_まだ窯の中にある状態の焼きたてのパン。ハードな外身ともっちりと引きのある中身がよくわかるコントラスト。2_昨年の10月に全改装して、新たに増設したカフェスペース。カウンターを6席、テーブル席を4席。メニューにはチリコンカンやキノコのマリネなどパンに合うものを。3_「こんなに振るのはうちくらい」とこれでもかと寝かせたパン生地に粉をかける。同時にパン生地の水分量の多さにも驚かされる。4_お店がオープンするまでの時間、無駄のない動きでどんどんパンを焼く松岡さん。オープンの忙しい時間帯のみお母さんがレジを手伝う。5_発酵所の代表とも言えるトナリを中心にカウンターに並んだパンの数々。全て、その日の朝に焼き上げられたもの。

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昨年の10月には発酵所を全改装、建て直して、カフェスペース「+ぱんのとなり」をオープンした。〝パン屋が作るパンのための料理〟として、キャロットラペや、チリコンカン、キノコのマリネなどを提案している。「パン屋を始めた時もやりながら、うまくなっていけばいいと考えていたんです。カフェも同じで、少しずつバリエーションを増やせればいい」。パンと向き合いながら常に少しずつ変化を加え、自分が進化することを考えている。「将来的には街を作りたいんです」。数年後にはその理想も実現させているかもしれない。

Photo_Daisuke Okabe

Shop Data

発酵所+ぱんのとなり

群馬県太田市茂木町346-5

☎︎︎ ︎080-3085-6814

営 水~日曜 11:00~18:00

休 月・火曜

ameblo.jp/hakkojyo

※2017年11月号掲載時の情報です