BAKERY 009

記憶に残る、もちもちむっちり

Kepobagels

東京_上北沢

ベーグルを口にして初めて

噛みしめる幸せを知った。

7日間のうちの数日は

朝食にベーグルはどうだろう?

何をつけて食べようか

何をはさんで食べようか

そんな妄想を膨らませて、

明日のパンを買いに行こう。

「パンに求めるものは、私にとって味でも美しい見た目でもなく食感なんです」と〈Kepobagels〉の店主、山内優希子さんは話す。ベーグルを初めて知ったのは、大学生の時だった。「ケポちゃん、ベーグルって知ってるか? ニューヨークが発祥で、モチモチ噛みごたえのあるパンだよ」と、昔から食感にこだわる私を知って、アルバイト先のパン屋のシェフが教えてくれた。大学卒業後は、出版社に勤務しながら趣味でパンを焼き続け、イスラエル、モントリオール、ニューヨークのベーグルショップを食べ歩いた。2006年には京都のパン屋に転職し、2年後には生まれ育った町、東京・上北沢で自身の店を構えた。ケポベーグルズでは、「ニューヨークベーグル」と「和ベーグル」の2つのタイプのベーグルを作っている。前者は古典的な9種類を、後者は斬新な約20種類を展開。

1,3_ホシノ天然酵母から起こしている和ベーグル。前日から寝かせておいた生地玉に具材を巻き込んだり、練り込んだりした後にゆでる。2_「抹茶きなこ」や「野沢菜」など、日本の食材と和ベーグル生地の相性の良さが楽しめる。4_店主の山内さん。初めてパン屋になりたいと思ったのは、幼稚園に通っていた頃。帰宅途中に母と寄ったパン屋のお姉さんに憧れて。5_窓際にラフに並ぶのがニューヨークベーグル。どれを買っても¥170というこだわりも本場を再現している。

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世界一おいしいのは、ニューヨークの手成形のベーグル。各国のベーグルを食べ歩いた後にそう感じた。現地の水、粉、空気がそれを作り上げているのなら、日本でも国産の材料を生かしてベーグルを作るしかない。そうして生まれたのが、北海道産の小麦と麹由来の天然酵母で作る和ベーグルだった。ニューヨークベーグルは本場の伝統製法を再現し、前日に成形し、冷蔵庫で一晩置き、ゆでた後に高温のオーブンで直焼きするため、皮はパリッと、中身はしっとり。一方で和ベーグルは、成形するのはゆでる約20分前で、全体がモチモチ。日本の食材と相性が良く、それらを巻き込んだり練り込んだバリエーションの多さも楽しめる。また、和ベーグルの生地で酵母の量を4%、6%、10%と変えたプレーンのベーグルも作っている。酵母の割合が大きくなるほどやわらかい。本物を探求したからこそ、伝えたい食感がある。

Photo_Mitsugu Uehara

Shop Data

Kepobagels

東京都世田谷区上北沢3-17-8

(2017年11月現在移転の予定あり。訪問前に公式サイトでご確認ください)

☎︎︎ ︎03-6424-4859

営 9:00~19:00

休 月曜(祝日の場合は営業)・火曜(祝日でも休み)

kepobagels.com

※2018年1月号掲載時の情報です