BAKERY 014

創業21年の新しいパン屋

ラ・ブランジェ・ナイーフ

東京_若林

一人前のパン屋として幕を開けた日

父親としての時計も動き出した。

東京・神戸・京都・パリでの

多くの職人や素材との出会い。

背中を支えてくれる人たちと

この場所で明日も10年後も

パン作りと向き合っていこう。

赤い扉の小さなパン屋〈ラ・ブランジェ・ナイーフ〉が環状七号線沿いに現れたのは2年前。店主の谷上正幸さんは、52歳にして新たな門出を迎えた。

正幸さんが「ナイーフ」の名でパン屋を始めたのは1996年2月のこと。オープンの当日には娘さんの誕生も重なり、店主と父親としての毎日が始まった。東京・中目黒にてスタートしたナイーフは代官山、溝の口と店舗を広げ多くのパン職人を目指す若者を育て上げた。そんな中で2007年、突然の閉店。ナイーフを愛する人たちの心に穴が空いたまま8年が経過した。2015年、東京・若林にてナイーフは再始動。正幸さんと奥さんのフミエさんにとって若林は未開拓の地だった。そこでたまたま見つけた環七沿いの空き物件。そういえば、21年前に中目黒で物件を探していた時も、同じような会話をした。新しい窯に新しい酵母、新しいお客さんと共に歩みを始めてみよう。

1_シリアルブレッド(1斤¥480)。粉と水が同量のしっとりモチモチ、自家製天然酵母を使用した食パン。ひまわりの種、アマニ、押し麦、キヌアといったシリアルが入っているので食感も楽しめる。2_少しでもロスの量を減らすよう、生地の量を計算して仕込みから成形までを行っているとのこと。 3_素朴ながらも、ひとつひとつに丹精が込められている。4_バゲット(¥270)。5_赤い扉が目印。

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正幸さんの得意なパンはクロワッサンだという。ところが店内のどこにもクロワッサンの姿は見当たらない。「小さなパン屋だから置ける機材も作れるパンも限られている。たとえクロワッサンが作れなくても、ほかのパンが追いつけば良い。全てが揃っていない環境だからこそ、ここで自分には何ができるか必死に考えるんです。写真映えするようなパンは作れないかもしれないけど、やわらかくも噛みごたえのある生地の口当たり、自家製天然酵母の甘みが楽しめるパンを作る自信はあります」。正幸さんのパンは、アレンジを加えてもおいしい基盤の整ったパン。アレンジのレシピはフミエさんがHPで紹介している。

夫婦二人三脚で始めた新生ナイーフ。ちなみに、21年間変わらないナイーフという名前は「素朴な、飾り気のない」といった意味を持つフランス語に由来しているんです。

Photo_Daisuke Okabe

Shop Data

ラ・ブランジェ・ナイーフ

東京都世田谷区若林3-33-16 第一愛和ビル 1F

☎︎︎ ︎03-6320-9870

営 10:00~18:00

休 火・水曜(臨時休業あり)

@la_boulangerie_naif

※2017年8月号掲載時の情報です