BAKERY 006

ニューヨークの匂い。

MARUICHI BAGEL

東京_白金

ニューヨークで忘れられない味に出会った

帰国してからも忘れられない、

日本のどこを探してもない味

「この味を伝えられたら」

〝おいしい〟は人生を変える

稲木さんがエッサベーグルから受け継いだ味も

誰かの人生を変えるかもしれない

茹でられたベーグルが発する蒸気と、稲木さんを中心に開店前の準備を急ぐスタッフの熱。東京・白金、朝の6時。静かに朝が始まるこの街にあって、マルイチベーグルはひときわポジティブでエネルギッシュな空気を発している。湿気によって曇った窓、手書きの商品札、焼きたてのベーグルからほのかに香るはちみつの匂い、順番を待つお客さんの列を一人一人スタッフがローテーションしながら対応するアットホームなやりとり、老舗ベーグルショップ〈エッサベーグル〉に魅せられて稲木さんが始めたお店は、図らずもニューヨークを連想させる。「ベーグルが好きでもパンが好きだったわけでもないんです。あの味に出会って、でも日本にはあの味がなくて、それなら自分で作ろうと思って」。

思いのままにもう一度、ニューヨークに向かい、一度は断られながらも、実際にエッサベーグルで修業を積み、2004年に開業。「順風満帆でしたか?」の問いに、稲木さんは「仕事運は強いんです」と笑う。意識しているのは「価格とおいしさのバランス」。酵母、塩、水、小麦、オーガニックにこだわりすぎて買えない価格にならないように意識しながら、日本のものを扱う。

1_ショーケースに少しずつ増える焼きあがったベーグル。見ていると全部食べて見たくなる。2_「元々はプログラマーでした」という稲木美穂さん。「泣きたいほどやりたいって思ったこと」と、エッサベーグルで知った“おいしいベーグルを伝えること”を続ける。22歳の時にNYのエッサベーグルに単身修行へ。3_茹で上がり、これから焼かれるベーグル。木の板に7つずつ乗せて焼かれる。1日に2つだけ焼かれるベーグルも。4_マルイチベーグルの名物とも言えるボリューム感満点のサンドイッチ。右はぶどうや、キウイ、オレンジをクリームチーズで和えたフルーツサンド。左はトマト、ルッコラ、オニオンと一緒にサンドしたスモークサーモン。5_「サンドイッチは無限に作れる」とその場でアレンジをしてくれる。増え続ける手書きで書かれたメニュー。

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小麦粉ベースのプレーンなもの、全粒粉のみで作られたもの、米粉や玄米で作られたもの、どれを食べてももっちりと弾力があって〝噛むこと〟に夢中になる。アレンジを含めると全部で22種類、エブリシングやポピー、岩塩のようになにか気になるネーミングも楽しい。「受け継いだものを生かしながら、自分が日本でやるべきお店の形にしています。エッサベーグルが日本にあっても共存できるように。基本はまねさせてもらっているので、その中でマルイチの存在価値が出るようにいい意味で比べてもらえるように」。

Photo_Yoko Tagawa(horizont)

Shop Data

MARUICHI BAGEL

東京都港区白金1-15-22

営 7:00~18:00

※サンドイッチの販売は平日8:00~、土・日・祝は9:00~

休 月・火曜

※2018年4月号掲載時の情報です