BAKERY 015

路地裏の明るいパン屋

ミカヅキ堂

東京_三軒茶屋

二人の予定が合った日は

パン屋めぐりをしていた10年前。

ここのクロワッサンがおいしい、

次はあそこのお店に行ってみよう、

そしていつか自分たちも。

あの頃話していた夢が

昨年やっと実現した。

アスパラガスのグリーン、パプリカのイエロー、トマトのレッド、なすのパープル。野菜の鮮やかさは守りながら、味付けはしっかりとラタトゥイユ。全てを引き立てるのは、甘めで高密度のバゲット。

〈ミカヅキ堂〉の製造の中心は二人。遠藤穣さんと石井陽光さんが出会ったのは専門学生時代で、10年来の付き合いになる。卒業後、遠藤さんはパン屋の道へ、石井さんはイタリアンの道へ進んだ。その間も、石井さんが休みの水曜日にパン屋をめぐるのが二人の休日の過ごし方だった。そして昨年7月、二人の夢はかたちとなった。

「石井が包丁をにぎって鯖をおろしたり、コッペパンに合うナポリタンを考えてくれるから作れるパンがある。でも生地が不十分だったら、その具材も生かしきれない。だから食パンやバゲットなどシンプルなパンを追求していきたい。自分は料理が得意ではないので」と遠藤さん。

1_旬野菜と自家製ラタトゥイユのタルティーヌ¥3002_奥で生地を成型する遠藤さんと手前で窯を担当する石井さん。3_北海道産小麦「春よ恋」100%使用の食パン。キメが細かく、もちもち。受け取り待ちが並ぶ。4_お酒のおともに、明日の朝食に食べたいパンが並ぶ、夕方の店内。5_「〈ヨーロッパ食堂(斜め向かい)〉のスープのまったく冷めない距離に」店を構える。6_お酒のおともに、明日の朝食に食べたいパンが並ぶ、夕方の店内。

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ミカヅキ堂には朝と夕の顔がある。開店の10時にはコッペパンやサンドイッチがぎっしりと並び、たちまち売り切れてしまう。15~16時には、おつまみになるチーズやベーコンが入ったパンや翌朝でもおいしく食べられるパンが並ぶ。一日に二度訪れるお客さんもいるという。常連のお客さんも多く、レジに近い場所で窯からパンを出し、食材を調理する石井さんが顔を出して明るく挨拶をする。「自分はパン屋としてまだまだなんです。今は食パンの仕込みを勉強しています。このラタトゥイユのパンと具材のバランス、一人じゃできなかっただろうな」と石井さん。窯が落ちる夕方、二人は明日のパンについて話し始める。

Photo_Haruka Shinzawa

Shop Data

ミカヅキ堂

東京都世田谷区太子堂4-26-7

☎︎︎ ︎03-6453-4447

営 10:00~19:00

休 水曜

※2017年7月号掲載時の情報です