BAKERY 002

この出合いに、乾杯。

ベーカリーミウラ

東京_千駄木

がっしりとした見た目で中身はやわらか。

焼き立てはもちろん、

翌朝までしっとりふんわり。

食べ終わった後もその優しさで

くるりとまるごと包んでいてくれる。

明日もまた、会いたくなる。

そんなパンが、理想のパン。

ドアのない店先から流れてくるブルース。店頭のショーケースにはパンが、さらにその奥には花々の姿が。そう、ここはパン屋でもあり花屋でもある。パン職人の飛田憲彦さんとフローリストの平澤剛さんの出会いは3年前。当時神奈川・逗子を拠点としていた飛田さんは月に一度、出張販売で東京・千駄木に、平澤さんはその販売先の路地の並びで花屋を営んでいた。そして昨年、根津神社に続く緩やかな坂道の途中に〈ベーカリーミウラ&平澤剛生花店〉がオープンした。

 

ベーカリーミウラのパンは、ハード系からコッペパンまでさまざま。その理由は、「子どもからお年寄りまで楽しんでもらいたいから。欲張りだから、全員に食べてもらいたいんですよ」。店内にはカウンターでビールを片手に語り合う常連さんもいれば、おつかいに来たという近所の小さなお客さまも。地元の人たちから「ずっと前からあったみたい」と言われるほど、町に馴染んでいる。

1_見た目と中身のギャップが素敵なカンパーニュ。頬張ると表面の鎧にしっかりと守られていた素材の香りが広がる。2_パンなのに、みずみずしい、と形容したくなる新鮮さ。3_厨房での作業の合間にお客さんと談笑する飛田さんを呼ぶ平澤さんの声が聞こえてきたら、もうすぐこの場所が焼き立てのパンの香りで包まれる時間。4_飛田さん(左)と平澤さん(右)。各国から来た花を眺め、いつかその土地で咲く姿を見みたいと語る平澤さん。鞄にはいつも世界地図が。5_ビールと季節の野菜を使ったピザとのセットは¥750。日替わりのトッピング、この日は新じゃがとオクラ。6_HELLOとパンたちが挨拶してくれるプレートは、平澤さん作。

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子どもの頃からパンが好きだったという飛田さん。高校時代には通学鞄にバゲットと一緒にはちみつ、ジャム、バターを詰めた瓶を忍ばせていたという。現在は店が終わったら20時には眠りにつき、0時半に目覚めてパンに向き合う日々を過ごす。酵母は牛乳と全粒粉から起こし、小麦は必要な分だけその都度挽く。そうすることで新鮮さを失わない、生きたパンが作られる。「手間はかかるけど、味に直接影響するからね。本物である、ということが一番大事」。

「楽しんで帰ってもらえたらいい」。花とパン、全く異なる分野の二人だが、その想いは同じだという。「また来たいと思える店にしたい。そんな場所にできるのならば、売りものはパンでなくてもいい」、と語る飛田さん。休み前の晩にはこの空間で、仲間と共にほろ苦いビールを酌み交わすことも。飛田さんが作りたかったのは、パンだけじゃない。おいしいパンは、それを分かち合う友がいて、完成する。

Photo_Mitsugu Uehara

Shop Data

ベーカリーミウラ

東京都文京区千駄木2-2-15 1F

☎ 03-5834-8972

営 8:00〜18:00

休 月・火・水曜

※2018年8月号掲載時の情報です