BAKERY 010

心をほぐしてくれるパン

OLIVE CROWN

神奈川_武蔵新城

何気なく母親と参加したパン教室。

いつしか「プロが作るもの」と

考えもしなかったパン職人の道へ。

自分で酵母を作り、粉からパンを作る。

信頼する農家が作る食材と一緒に

みんなが笑顔になるように。

「ここから2時間くらいゆっくりと焼いて仕上げていくんです」。お店の人気メニューであるグラノーラの状態を確認しながら、長岡さんは楽しそうに話す。長岡さんにとって厨房は、仕事場というよりも研究所のような感覚なのかもしれない。八ヶ岳の農家さんから届く野菜は、お店に届くまで何が入っているかわからない〝お楽しみ箱〟だし、オーダーをもらって作る〝裏メニュー〟、ボリューム感満点の〝気まぐれサンドイッチ〟は「アイディアが降りてくる」のを待って、その時の感覚で作っているもの。その日その日のライブ感に身を委ねて、新しい発見を楽しんでいる。接客をもう一人のスタッフに任せ、一日中、仕込み、パンを焼くことに没頭している。

1_パンが売れるまでの間「何かに特化したものを」と始め、定番として販売していた気まぐれサンドイッチは現在は基本オリーブクラウンがプロデュースしている〈hammock.cafe〉で販売しているもの。オリーブクラウンで購入する際は前日までに予約を。2_サイズ違いがかわいい焼く前の状態のパン。酵母をパンによって使い分け、全て粉から作り上げるオールクラッチ製法。3_店主の長岡亜希子さん。休憩もほどほどに、素材のベストな状態を考えて、一日中手を休めない。4_オリーブの焼き印が入った人気メニュー、パン・ド・ミ。きつね色の表面のカリカリ感となかのしっとり感が絶妙なハーモニー。5_その日にある具材の組み合わせで作る気まぐれサンドイッチ。この日はキャロットラペや坊ちゃんかぼちゃ、マッシュポテトにビーツを塩もみしたもの、蒸し鶏などをサンド。

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お店はJR南武線の武蔵新城駅から徒歩で5分、住宅地のそばにひっそりとある。店内はパンを並べる棚をL字に2面、あとはレジカウンターのみのミニマムな空間。お客さんが一人でじっくりパンを選べるようにできている。自家製酵母で作られたパンの多くは〝半分パン〟と呼ばれる小さいサイズのものもあり、大きさ違いで選べるようになっている。子供が多く住むエリアに合わせたアイディアだ。朝イチに作り始めて夕方5時に焼き上がるナチュラルシリーズは、国産小麦に米粉10%、油脂を使わず、代わりにブレンダーでペースト状にしたプルーンを加えたもの。このパンに限らず、オリーブクラウンのパンは体に優しい気配りが込められている。「パンでみんなが笑顔になるように」。その思いが軸であり、背景にはものを作っている生産者との絆がある。「現地に行くとどれだけの苦労でこの野菜や素材、命が生まれ育っているのかがわかる。『だからこれができるのか』って。旬のものを扱うことで生産者の思いを届けることができると思っているんです。それを考えながら作っていると『ちゃんとしたものを作らなきゃ』と思うし、楽しくなってくるんです」。

Photo_Yoko Tagawa(horizont)

Shop Data

OLIVE CROWN

神奈川県川崎市中原区上新城2-7-9 ダイアパレス 116

☎︎︎ ︎03-6424-4859

営 月~金曜 12:00~19:30、

土・日・祝日 12:00~18:00

休 不定休

olivecrown.org

※2017年12月号掲載時の情報です