BAKERY 018

パンに込められた壮大なメッセージ

PARADISE ALLEY

神奈川_鎌倉

知っていますか?

培養を意味するワード、

カルチベートがカルチャーの

動詞だということ。

醗酵を意味するフェルメントには

動乱という意味が含まれていること。

その研究から生まれた

パラダイスアレイのパン。

このパンには、ハッピーなハートが

世界を動かすというメッセージが

ひそかに込められている。

鎌倉市農協連が運営する鎌倉中央食品市場、通称〝レンバイ〟。イスタンブールのエジプシャンバザールやマラケシュの旧市街マーケットの雰囲気をほのかに漂わせた、ちょっと怪しげな屋根付きのスペース内にパラダイスアレイはある。カウンター前のディスプレイには独特な模様をあしらったパンが並び、カフェスペースの壁には、サイケなアートが見張りを効かせるように陣取る。バックパッカーとしてヨーロッパを旅し、ヒッピーライフスタイルに陶酔した勝見淳平さんならではのお店だ。入口窓に刷り込まれた〝培養醗酵宙造研究所〟の文字がただのパン屋ではないことを語りかける。

1_竹炭を練り込んだ黒のパン生地を使用したものなど、毎日種類豊富に揃うフォカッチャ。2_アーティスト、カザマナオミさんの作品が飾られたカフェスペース。周年でもないごく普通の日、お店に来たら壁にかけてあったのだそう。3_パラダイスアレイのパンの特徴でもある表面の模様は、手作業やレーザーなどでカットしたクリアファイルを使って作られる。4_パン粉をまぶしたフォトジェニックなパン。無造作な置き方がお店のムードを際立たせている。5_カフェスペースと隣り合わせのキッチン。気軽に声をかけやすいムードが心地いい。6_勝見さんはイベントがあるときや普段思いついた時間を見つけてパンを使ってさまざまなものを作る。この日は材木座の浜で行われた塩炊き祭のために作成。

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「お店を始めて3年目、子供が生まれた頃に『自分たちは菌で、醗酵してるんだ』とふと気づいたんです。生きることの中心に食べることがあって、どう命をつむいでいくか。パンを育てることと命を育てることは一緒だなと。命のあり方として醗酵を研究しようと思った」。おいしいパンを作るだけではないこの考えに惹きつけられるように、お店には入れ替り立ち替りで人が訪ねてくる。「僕は菌をばらまいていて、その菌をみんなと共有している感じ。1日いると面白い人がたくさん来て、その出会いから新しいものが生まれたりする。縁=菌のように広がっていくんです」。人と人とが培養し、醗酵し合い、広がるピースフルな輪。この〝研究所〟のパンにはそれを生み出す不思議な力があるようだ。

Photo_Yuhei Kaneda(Bellona)

Shop Data

PARADISE ALLEY

神奈川県鎌倉市小町1-13-10

☎︎070-6656-9612

営 7:00~19:00(朝食は7:00~11:00)

休 不定休

※2017年4月号掲載時の情報です