CAFE 013

余剰なのかもしれない。

台形

東京_国分寺

東京・谷保の〈カイルアコーヒー〉の豆を使用した珈琲¥500。

注文を受けてから瑶子さんが豆を挽き、一杯ずつ淹れている。

購入も可能な器は、幕末〜明治の伊万里焼を選出。

金継ぎの跡も、長い歳月を経てきたからこそ。

何のお店かと聞かれましても。

いらっしゃいませと同時に、迎えてくれたのは壁に掛けられた土俗面だった。伏木庸平さん、大木瑶子さん夫妻が営む〈台形〉がかたちとなったのは、昨年7月のこと。どうして民間信仰物や護符を店内に?「料理や飲み物を盛り付ける器、古書や家具にいたるまで店内にあるものはほぼ販売しているんです。100年も200年も前の名も無き先人の作品が幾人の手を渡って、偶然にも今はここにある。ある人にとってはかげがえのないもので、ある人にとっては不要なものかもしれない。どの断片に意味を見出すかは、手にした人だと思う。この流転を止めることなく、いろいろな人の手をめぐっていってほしい」(庸平さん)。台形も珈琲やお菓子、料理を目的に訪れる人もいれば、骨董屋や古本屋として訪れる人もいるとのこと。どこに目を向けるかは個人に委ねる。

1_食事メニューの「台形set」では、定番の鶏肉の赤ワイン煮込みのクスクスのほか、キッシュロレーヌからメインが選べる。季節の野菜・果物のサラダがセット。2_ひょうたん型の李朝の祭器に花を生けてみる。3_(左)チーズの中にあんずが入ったタルトフロマージュ¥400。(右)チョコレートの中にクリームチーズとラムレーズンが入ったトリュフ¥180(2個)。4_料理と菓子の担当は瑶子さん。5_国立駅から徒歩9分。6_美術、郷土、ファッションなどの古書が積み重なる。

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庸平さんは刺繍による立体作品を制作、瑶子さんは洋服のパターンを制作と、店主の二人にはもうひとつの側面がある。二人が名付けた無機質な「台形」という箱は、二人にとって吸収と放出の場所なのかもしれない。この場所にたどり着いた古物や古書、訪れた人々から着想を得て、料理や自身の作品へと還元する。この循環の場所は、日に日にかたちを変えていくのだろう。取材後、二人はポルトガルへ2週間の吸収の旅へ出かけた。現地で何を味わい、何を目にし、何を肌で感じて帰って来るのか。

Photo_Ryo Kuzuma

Shop Data

台形

東京都国立市中2-2-3

☎ 070-4111-1449

営 12:00~20:00(火~木曜)

12:00~18:00 / 19:00〜(金・土曜)

※コース制・要予約

休 日・月曜

※2017年10月号掲載時の情報です