CAFE 014

今日もまた、

まるい誘惑に誘われて。

haritts

東京_代々木上原

民家を改装した店内には、

カウンターとテーブルが3席のこぢんまりとしたイートインスペースがある。

テイクアウトもできるが、

揚げたてのドーナツを楽しみたい時はイートインがおすすめ。

始まりは1台のワゴン車から。

路地を入ったところにある古い一軒家。がらり、格子戸を開ける。途端にふわりと甘い香りが漂う。丸いドーナツが並ぶカウンター。いらっしゃいませ、とバンダナを巻いた女性がにっこりと微笑む。これぞまさに町のドーナツ屋。始まりは13年前、ビジネス街の一角で移動式カフェを営む姉妹の姿があった。パン屋で修業した姉の一記さんがドーナツを作り、カフェで働いていた妹の春菜さんがドーナツを売る傍らコーヒーを淹れる。その後、拠点を東京・代々木上原に構え、ドーナツとコーヒーの店〈haritts〉としてオープンする。

1_素朴でシンプルなおいしさのプレーン(¥150)、生地にレーズンを練り込んだシナモンカレンズ(¥173)、ほんのり優しい苦みがドーナツに合うアイスカフェラテ(¥390)。2_民家の壁は自分たちで白く塗り替えた。モダンレトロな雰囲気が心地よい。3_(ドーナツモチーフの小物がちりばめられた店内。4_次々と揚げられる手作りドーナツ。5_壁に掛かる、haritts始まりのワゴンのイラスト6_美術、郷土、ファッションなどの古書が積み重なる。

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定番は、プレーン、クリームチーズ、チョコ、シナモンの4種類。そこに日替わりで、抹茶やかぼちゃ、ホワイトチョコなどが加わる。甘さは控えめ、やわらかくもっちりとしたパン生地は、揚げ物とは思えない軽やかさで、まるでおやつを楽しみにする小学生のように夢中で頬張ってしまう。一記さんは3年前の台中店のオープンを機に、家族で台湾へ移住。現在この店は春菜さんと旦那さん、ほか数人のスタッフで切り盛りしている。「同じものを作り続けるのは、簡単そうで意外と難しいことです。季節や気温によって変わる発酵時間を調整しながら、いつでも同じ形や味、食感になるようにこだわっています」。今では平日でも店先の行列ができる人気店。なかには移動販売の頃から通い続けてくれる人も。きっと10年、20年先もここへ来れば、変わらない日常の味に出合えるはず。

Photo_Takanori Sasaki

Shop Data

haritts

東京都渋谷区上原1-34-2

☎ 03-3466-0600

営 19:30~18:00(水~金曜)、

11:00~18:00(土・日曜、祝日)

※2017年7月号掲載時の情報です