CAFE 009

時の流れと季節を感じるcafe。

うぐいすと穀雨

東京_雑司が谷

定番メニューとして愛されるトーストセット。

スライスの焼き加減が食欲をそそる。

コーヒーは川越にある自家焙煎珈琲店、

Tangoによるオリジナルブレンド。

休み、蘇生する時間

「ゆっくりしてもらっているのを見るのがうれしい」。店主を務める鈴木菜々さんは回転率を上げることよりも、この店を一休みする場所として使ってくれることを好んでいる。「パン屋というより、いろんなものを使って暮らしの時間の価値を伝えている感覚なんです」。お店の名前にあるうぐいすは、旧暦の七十二候にある、春が来るという意味合いの言葉〝うぐいす鳴く〟から。同様に二十四節季からとった穀雨は、春の終わりに降る雨を意味する。「2つ合わせると、冬を過ぎ、春が来て、夏を迎えるような意味になるんです。お店に来た人にはそんなふうに時間の流れを感じとってもらいたい」。

1_ひとつひとつ違った椅子が並んだフォトジェニックな壁際の席。2_カウンター脇にあるサイドボードで販売される季節のジャムやグラノーラ。3_入り口脇の窓に優しい筆跡で描かれたスケジュール。4_店内には要所に花が生けられている。「パンで感じ取れない季節感を、花で感じとってほしい」。5_「ON OFFのあるお店」とオープンの4日間を精力的に働く店主の鈴木さん。6_手頃なサイズで食べやすいのが特徴的。テイクアウトもできる。“わっか”“いなほ”など遊び心のあるネーミングのパンも。

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店内に揃えられたテーブルや椅子、什器は全て古道具で統一。季節の花で流れる時間を、ドライフラワーで時間の止まった世界を感じさせる。〝時間〟を見つめる演出が空間全体になされている。「小麦粉本来の甘みと香りが引き出されるから」とパンも8時間かけて発酵させている。1週間のうち営業は木曜日から日曜日までの4日間。鈴木さんは月曜日から水曜日を、1日を完全休養に、残り2日を状況に合わせて仕込みと休養のバランスを調整する。この時間も鈴木さんのバイオリズムとお店の空間を作る大切な要素だ。体調のバランスも含めて考えた結果、この4対3のサイクルができた。「時間の流れを感じてもらいたいといっておきながら、自分がその余裕がなかったら説得力がないですよね」。自分自身が先頭になって、〝うぐいすと穀雨〟の価値を表現する。

Photo_Ryo Kuzuma

Shop Data

うぐいすと穀雨

東京都豊島区雑司が谷3-8-1 木村ビル 2F

☎︎ ︎03-3982-9223

営 木~土曜 11:00~18:00(L.O.17:00)、

日曜 11:00~16:00(L.O.15:00)

休 月~水曜

www.uguisu-kokuu.com

※2017年11月号掲載時の情報です