EAT 014

めぐりめぐってここへ。

食堂めぐる

東京_松陰神社

本日の定食(ホタテとカンパチのお刺身、松山揚げの味噌汁、

のはら農研塾の無農薬有機栽培米、にんじんの酢の物、切り干し大根、

小松菜のナムル、トマトのおひたし)¥1,400。

器の多くは内山太郎さんの作品を使用。

小さなわがままやおせっかいが

盛り込まれる家庭料理

よく耳にする「家庭料理」というフレーズ。おふくろの味?郷土料理? 定義はとても曖昧だ。

今年3月に松陰神社前駅から続く商店街に店を構えた〈食堂めぐる〉。営むのは、宇都宮奈津実さん。愛称は「なっちゃん」。24歳の時に大阪から上京し、自分のお店を持つ夢に向かってイタリアンや和食、カフェなどで経験を積んだ。店では、割烹着にも見える白いエプロンをした宇都宮さんが迎えてくれる。「今日のお昼ごはん何?」、「席に着く前に、手を洗いなさいよ」、そんな会話が始まりそうな空気が流れている。

1_食堂めぐるのBGMは、宇都宮さんの趣味で〈SPECIAL OTHERS〉。2_祖父母の家から譲り受けた置き時計が、1時間ごとに時を知らせる。開業の際に贈られた花がドライフラワーとして店内を飾る。3_小菅幸子さん作のブローチをアレンジした手洗い台。箸置きにも小菅さんの欠けてしまったブローチを使用している。4_宇都宮さんの2匹の愛猫のうちの1匹、うし子が手招き。5_テイクアウト可能な本日のお弁当(数量限定)¥800。

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「久しぶりに実家に帰ったとき、お母さんはその日にそろう一番おいしい食材で腕を振るってくれるでしょ。お肉もお魚も食べたいってわがままを言っても、できるだけ応えようとしてくれる。苦手な食べものも、なるべく口にできるように工夫する。私、自負しているんですけどお節介な人なんです。でも、それが私の専売特許なので(笑)」と宇都宮さん。

食堂めぐるでは、明日のメニューは明日の朝に決まる。仕入れ先の下高井戸の魚屋に、築地からどんな活きのいい魚が送られてくるか、当日にしかわからないためだ。今日は北海道産のホタテ、大分・豊後水道産のカンパチが最も活きがいいらしい。甘みが感じられるお米は熊本県の〈のはら農研塾〉で栽培された「ヒノヒカリ白米」を使用。野菜も熊本県産が多い。日本全国の漁師さん、農家さんが丹誠込めた食材が、宇都宮さんの食べてくれる人への思いやりが、私たちの体をめぐる。

Photo_Yoko Tagawa (horizont)

Shop Data

めぐる

東京都世田谷区若林4-27-15

営 12:00~22:00

休 火曜

※2017年7月号掲載時の情報です