EAT 012

世界のおばあちゃん味。

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東京_鳥越

いろいろおかず盛りプレート(スープ付き)¥1,000。

二人が住む千葉・柏産の新鮮な野菜を使用。

季節のフルーツティー「真夏の貴婦人」¥680。

春摘み台湾茶と自家製青梅シロップにキウイを加えたアジアンフルーツティー。

敬愛の意も込めて

〝meme〟と呼ばせて。

テーブルの上の小旅行。静岡・沼津で〈teteria〉の名で紅茶屋を営む大西進さんがそう表したように、紅茶はお湯を注いで待つだけなのに奥深い。teteriaの茶葉で淹れた濃いめのミルクティーのほか、季節の果物を合わせた紅茶など豊富なメニューが揃う、ごはんとおやつと紅茶のお店〈T(ティー)〉が鳥越神社のすぐそばに店を構えたのは今年4月のこと。安居秀樹さん・未緒さん夫婦が営む。未緒さんの作る料理やお菓子は、ドイツ製の器に盛りつけられていることも相乗して異国感が漂う。見た目の印象に反して、懐かしい味がする。だしや味噌など、和のものを中心に味を調えているためかもしれない。未緒さんの料理の師は祖母だという。

1_ポルトガルのおばあちゃんから教えてもらった、なつかしプリン。「カポン」という音が型からきれいに外れた合図。2_作りたい料理のイメージが湧いたら、イラストに起こす未緒さん。3_お店の色を作り出している、ドイツ製のグラスや雑貨。4_〈mememeal(メメミール)〉の名で、夫婦でフードユニットとして活動。“meme”はフランス語で「おばあちゃん」を意味する。5_同ビルには〈トートーニー〉なども入っており、コミュニティスペースとなっている。6_ビルオーナーの塚本太朗さんセレクトの約50種類の世界各国の紅茶。

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「20歳を超えた頃、人並みにレストランも知るようになったけれど、無性に食べたくなるのは離れて暮らす祖母が作るハム卵クリームコロッケ。いつも冷蔵庫にある食材でこんなにもおいしいものができるなんて、と感動した。新しいもの好きだったハイカラおばあちゃんは、初めて見る料理をどんどん作って、晩年まで私たちを楽しませてくれました」。未緒さんの祖母、小泉操さんは亡くなる前日まで台所に立ち続けていた。新たに教えてもらうことはかなわなくても、記憶のなかに確かに残っている。操さんの料理は、未緒さんを通して新たな食材に出合い、多くの人のお腹を満たし続ける。「野菜の直売所のおばあちゃん、フランスやポルトガルの旅先で出会ったおばあちゃん、みんなおいしいお話をたくさん持っているんです。もっと世界のおばあちゃんから教えてもらわないと」。

Photo_Takaki Iwata

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営 11:30~18:00 (L.O.17:30)

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※2017年9月号掲載時の情報です