暮らすひとと暮らすところ  福岡県・北九州市

心地いい暮らしを

株式会社タムタムデザイン 代表取締役

田村 晟一朗

小倉北区

アーチが特徴的な市内のリノベーション物件。新築やリノベーションなど幅広く手がける。

小倉という街で

魚町の商店街の一角にある一級建築士事務所〈タムタムデザイン〉の代表である、田村晟一朗さんは、北九州市を拠点とし、全国で設計を手掛ける。リノベーションした市内の団地は入居率100%。団地の無機質なイメージを塗り替えるような、無垢の床材やアーチの建具が心地よい空間デザインに、若い世代の入居も多いという。「できるだけ有機的な豊かさを感じられるように、曲線を入れたり、手ざわりを大事にしています」。

2012年に独立し、2014年に今のオフィスに移転。人が来やすいようにと、商店街に事務所を構えた。

田村さんが北九州市に来たのは、18歳の時。高知県の工業高校で建築を学び、同級生の多くが就職するなか、専門学校への進学を決意。一度県外に出てみようと、直感で選んだ先が北九州市だった。卒業後も北九州市に住みながら、博多や行橋の職場に通った。博多に住むことも考えたが、物件を見に行ってもなぜかピンとこなかったという。

事務所の模型。技術をリンクさせながらクリエイトな仕事をしていくという意味の「リンクドオフィス」と名付け、グラフィックデザイナーなど3社でオフィスを共有している。

西小倉の自宅から職場へは歩いて通勤。よく行く場所の多くは小倉にあり、生活のほとんどが徒歩圏内で完結するという。6年間別の街に通っていた反動かな、と笑う田村さん。毎日歩いているといろいろな発見があるのだそう。新幹線と電車が交差する瞬間を見たり、川にエイが泳いでいたり。近くの工場の煙突から火柱が上がるのをタイミングよく見られるとちょっとうれしくなるのだとか。

植物が好きだという田村さん。事務所にある植物たちは、室町にある花屋さんで買ったもの。

「小倉は土着的なお店がコンパクトに集まっているのがいいですね。角打ちで大将に話しかけたら、ほかの人も入ってきてその場で話が盛り上がったり。人は冷たすぎず、距離が近すぎず、都会と田舎の真んなかという感じ。県外の人に、小倉の街を案内するのが大好きなんです」。

小倉には古くからの角打ちのお店がたくさんあり、文化として根付いている。この日はラジオ放送の打ち合わせがてら、行きつけの角打ちへ。

Profile

高知県出身、進学と共に北九州市で暮らしはじめる。2012年にタムタムデザイン一級建築士事務所を設立。2017年グッドデザイン賞受賞など数々の賞を受賞。ラジオ番組の出演や、九州工業大学非常勤講師、まちづくり事業など幅広く活動している。2019年9月には“豊かさの美術館”をテーマとしたワインバー「tamtam7」をオープン。週末は自らもカウンターに立つ。

 

http://tamtamdesign.net

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